出会いは大学生の春でした。
ありきたりのサークルでの出会い。
気があって自然と付き合いました。
彼の爽やかなところが好きでした。
いつもおおっぴらで隠し事をしない性格で友達思いな人です。
彼には親友がいて、いつもデートのときは彼がいました。
3人で動くことに最初は違和感があったものの、彼の親友は彼と同じように爽やかで明るく誰にでも好かれる人でした。
ある日、私は彼を待っていました。
すると友人が彼が別の女性と仲良くしていると教えてくれました。
隠し事のできない彼がそんなことをするはずがないし、できるはずがない、と思ったのですが、言われてしまうと不安になってしまうもので、私の目は日に日に疑いのまなざしに変わってしまいました。
数日彼の行動や言動に気をつけていたのですが、そんな素振りが見えず、やはり友人の見間違いだろうと思っていたその日の午後、私は自分の目で耳で、確かに友人が彼に告白する現場を偶然見てしまったのです。
動揺しました。
彼はすぐにノーとは言わず、何かしどろもどろと話していました。
声が彼の背中越しだったのでうまく聞き取れず何を話していたのかは分からなかったのですが、告白した友人が泣いて肩を落とすとそれを優しくなでている彼の姿を見て、私はどうしていいか分からず彼の親友に相談しました。
毎日毎日同じような確証のない内容を相談し泣いては励ましてもらうことで私は自分勝手に彼の親友を使って自分を慰めていました。
しかし、彼は嫌な顔ひとつせず、ずっと一緒にいて聞いてくれたのです。
そんな状態が数日続いたとき、最終的には乗り換えてしまいました。
友人と同じ人を好きになってしまった
よく友人と同じ人を好きになると波乱があると言いますが、私もその波乱を経験した一人です。
元々は友人が彼のことを好きで、私は相談に乗っている立場でした。
ちょうど相談に乗り始めた頃、私もその彼との接点が増えていきました。
そして気になる存在になっていきました。
もちろん友人にそれを言うこともできずもやもやとした日々が続いていました。
しかし、やはり自分の気持ちに嘘をつくことができなくなり、私は友人にそれを打ち明けました。
思っていた通り、号泣されてしまいました。
都合が良いと言われればそれまでですが、自分から告白することはしないから彼を好きではいさせてほしいと言いました。
私は友人のことがとても大切でしたが、彼女がこれを聞いて私とはもう友人づきあいをできないというならば仕方がないかもしれないと思っていました。
しかし、彼女はとても大人で、彼も大切だけど私のことも大切だからと私を許してくれました。
そして私たちは正々堂々彼を好きでいようと話しました。
彼女は告白するのは自由だよと言ってくれましたが、私はそれだけはする気はありませんでした。
しかし、その日の夜、私は彼から告白されました。
どうしようかととても悩みましたが、私も彼が好きだったのでお付き合いすることにしました。
彼は友人が自分のことを好きなことを知っていました。
風の噂だったそうです。
もし私が彼女に彼を好きになってしまったことを打ち明けるのが一日でもずれていたら、私は彼と付き合うことはしなかったと思います。
彼女の大人な対応のおかげで彼と付き合うことができたので、本当に感謝してもしきれない思いでした。