出会い

2年ぶりに訪れた。
店員は全てメンズのバルスタイルダイニングキッチン。
なんかみんなイケメンで話しやすくて、料理も美味しかったし、店の雰囲気も良かったよなー、そんな記憶がどこかにあって、妹の誕生日のカウントダウンをふと思いつき、誘ってみたのだ。

妹はイケメン揃いと聞いてかなりの乗り気でついてきた。
場所もうろ覚えだったが、そこまで複雑な道でもないのですぐにわかった、というか近くまで行くと思い出した。

2年前は、飲み友達のお姉さんに連れてきてもらい、そこで働いていた私の大好きな芸能人にそっくりだった彼にすごく興味を持ったのを覚えている。
でも、接客のくせにかなりの無愛想で全然似てないと激怒して、そこから一度も行かなくなったことも思い出した。

2年ぶりに入る店は、全く変わっておらず、色黒でチャラそうな店長さんも全く変わっていなかった。
そして、ドリンカーに入る彼の姿にまた目を奪われてしまった。
その時の彼だった。

しかも、表情が柔らかく、とても気さくに話しかけてくれる人になっていた。
私たちは彼の少し斜め前に位置するカウンターに座り、ビールを注文し、食べ物のメニューを見始めた。すると、彼が話しかけてきた。

「初めてですか?」
あーこんな声だったな。
私は、声まで覚えていたのかと自分に驚いた。
そして、前に連れてきてもらったことがあることと妹の誕生祝だということを話した。

それから、カウントダウンまでは結構な時間があったが、彼を始め、スタッフみんながとても気さくで話しやすく、色んな話をしたり、他のお客さんの誕生祝を一緒にしたり、楽しく過ごした。
さすがに、無愛想で…という話はできなかった。