送ったラブレターの返信

好意を持っていただけてありがとうございます。
素直に嬉しかったです。
こちらこそ仲良くしてくださいね。
と届いた。

嬉しい!すごい嬉しかった!見かけ通りいい子そうだな、と思える内容だった。

そして何週間かメールのやりとりをして、ついに2人で出かけることになった!
デートプランを何通りも考えて、どう転んでもいいように完璧に練った!
そしてとても楽しい1日になったのだ!

でも残念な事に、彼女には好きな人がいるみたいだった。
ずっと片思いをしているみたいだった。
そして俺はその日の夜に、今日の御礼のメールをし、それと「自分の想いをちゃんと伝えた方がいい。

告白、頑張るんだよ。
何かあったら話を聞くからね。」とまたいい人なメールをしてしまったのだ。
でも本心なのだと思う。
好きな気持ちを伝えるのは素敵な事だと思ったからだ。

それでも俺は彼女の事が諦められなかった。
彼女の告白がうまくいって、もう俺に連絡はこないかもしれないと思ったけれど、それでも俺だって好きな気持ちをいつか伝えたいと本当に思っていた。

彼女からの連絡はやっぱりない。連絡がないまま6年が経った。
俺はまだ彼女の事が好きだ。
彼女だってもう大人になっただろう。

そして今年の冬の寒い日に、淋しそうに歩いている彼女を見かけた。
声をかけずにはいられなかった。

彼女の恥ずかしそうに、はにかむ泣き顔を見て、何があったのかは分かった、と同時に抱きしめていた。
6年分の想いが俺の両手からとんでもなく溢れていくのがわかった。

彼女は「最初からこうしていればよかったのにね、私バカだなぁ」と可愛く言った。
たまらなかった。
俺の片思いは無駄じゃなかった。

お互い遠回りしてしまったけれど、このタイミングで会うべくして会えたのだと思った。
やっと、やっと俺のものになったんだ。