留学中に、同じスクールに留学していたフランス人の彼と付き合いました。
きっかけはバレンタインでした。
ヨーロッパのバレンタインは男性が女性に愛を告白する日で、留学先の街では薔薇を買って贈るのがスタンダードでした。
そのため、シーズンになると街の花屋さんには1輪ずつラッピングされた薔薇が華やかに並びます。
彼は自宅から私のアパートまで歩き、その途中にあった全部の花屋さんから1本ずつ薔薇を買ってきたと言って、バレンタインデーに大きな薔薇の花束をくれました。
そんなロマンチストで優しい彼が大好きになってしばらく付き合ったのですが、彼のビザが切れ、帰国する前後から喧嘩が増え、結局別れてしまいました。
会話は英語だったのですが、主に私の英語力が不足していたせいでコミュニケーションは難しかったです。その中で一旦喧嘩が始まると、収拾がつきませんでした。
お互いが感じるギャップが個人の問題なのか、文化の違いなのか、ただ言葉が不足しているだけなのかも分からず、そんな中で始まる喧嘩は消耗戦でした。
英語が出てこないもどかしさに私が泣くと、彼はそれは卑怯だと溜息をつき、教師のように諭し始め、それに私がまた怒り出すという悪循環が、本当に酷い時は一晩ずっと続きました。
最後には優しい彼が被害者面するのにもイライラしてしまい、何もないのにその顔色だけで喧嘩になってしまいました。
そこまでになってしまった関係が長続きするはずはなく、最後は随分あっさりと別れてしまいました。
後から考えれば、忍耐強くお互いに性格や文化や価値観の違いに寛容になって、譲ることができたらもっと違う形になったのかもしれません。
怒り狂った彼を鎮めるために吸いまくり
いつもは吸わないタバコを吸ったばかりに、いつもの喧嘩が修羅場になりました。
彼は喫煙者で、一日に2箱から3箱は吸います。
それなのに、女性の喫煙者を嫌悪しているような発言ばかりしています。
私は普段はタバコを吸わないのですが、ストレスがたまったり仕事で疲れたりしたときに1本だけ吸いたくなるのです。
仕事帰りの喫茶店や、買い物に行ったついでに目立たないところでたまに吸う程度で、もちろん彼には内緒です。
つまらないことで彼と喧嘩をした日、彼の怒りがいつまでも収まらず、私も仕事でとても疲れていたので車のキーと財布を持って外に出ました。
コンビニでタバコを買い、車を運転しながら2~3本たて続けにタバコを吸いました。
しばらく窓を開けたまま車を走らせ、気分がスッキリしたので家に帰ると、彼はまだ怒りが冷めていない様子でした。
私の身体についたタバコの臭いに気付いたようで、すぐに怒りをぶつけてきました。
テーブルの上の物を投げつけられ、バッグを取り上げられて中身をすべて外の草むらに投げ捨てられました。
タバコを吸っただけであんな修羅場になるなんて、彼の偏った性格を垣間見たような出来事でした。
怒ったかと思うと、急に身体を求めてきたりして、それがまたすごくやさしくて、ついつい許してしまうのです。
その繰り返しでしたので、どこかドツボにハマっていく予感はあったのですが、私も快楽に身を委ねて全てを忘れたいと思ったり。
実は、あのお店で買ったのが気持ちいいのです。